住宅の劣化の中で、フローリングの損傷に悩んでいる方はとても多い。
その中でも早急に補修したい損傷が、フローリングの浮きや盛り上がりである。
多少の傷であれば不便を感じないかもしれないが、浮きや盛り上がりは放置しておくとフローリング材の劣化を早め、また足腰への影響も良くない。
小規模な浮きであれば市販の補修材で、自分自身で補修することも可能である。
今回は自分で出来る補修方法、プロに依頼した方が良い場合のポイントをお伝えしたい。
最後には浮きや盛り上がりの予防法も紹介しているので是非最後まで目を通していただきたい。
フローリングの浮き・盛り上がりは自分で補修可能か?
フローリングの浮きや盛り上がりはご自身で補修可能である。自分の家を住みやすいように修理することや、改造することにより、実際に成功すると達成感や喜びが得られることも事実である。
ただし、自分での補修にはリスクがある事も十分理解していただきたい。
無理やりDIYをすると悪化する
DIYで恐ろしいのは、失敗ではなく、“悪化”である。単なる失敗であればやり直せばよい。しかし、悪化してしまうと、修理内容も増え、必要以上の費用もかさむ。
DIY補修で起こりやすい例を紹介する。
例1:ネット記載の補修方法を真似し見た目が悪化
ネットブログや動画で紹介されている補修は、簡単にキレイに仕上がっている為、自分でもできそうに見える。しかし、初めて補修を行う方、手先の器用さに自信の無い方にとっては、正直なところ簡単ではない。
もちろん、素人の方にも出来る補修方法として丁寧に解説されているものは、是非試していただきたいが、作業工程をイメージし、難しいと感じた場合は、
結果、ガタガタで、見た目が悪すぎる物ができてしまうことがある。
せっかくDIYした費用は無駄になり、業者を入れて高い費用をかけて修理することとなる。DIY補修を行う際は、「充分な作業時間の確保」「工程や道具を省かない」事を重視していただきたい。
例2:大き目の浮きや傷を満足に修理できず悪化
大きい浮きは、市販の補修材では“物足りない”場合がある。物足りないとは発生している不具合をカバーしきれないということである。材料を多く使えばよいということではなく、使用する補修材が機能を十分に発揮できず、補修するはずが、いたずらに床材を痛めてしまう結果となる。
結果的に、本来よりも難易度の高い補修を必要としてしまう場合がある。
目安としては、損傷の長さが15㎝以上ある場合や、傷などであれば深さが1㎜以上ある場合には、プロの補修業者に任せた方が、満足のいく補修となるだろう。
例3:色を馴染ませようとして失敗
フローリングの浮き等により、かすれ等の変色で浮き補修と変色補修を同時に行った場合、変色が目立ってしまうことがある。
この場合、変色している部分と周囲との色をボカすことで補修を行えるが、ボカすという作業が格段と難易度高い。
通常の工事現場で、補修工を依頼すると、一般の作業員の2倍~3倍の単価がかかる。色関係の補修も同時に発生した場合は、リペア専門のプロに依頼することをおすすめする。
賃貸の場合DIY補修はリスクあり
賃貸の場合は、退去時に原則として『原状復旧』というものがある。
現状復旧とは、入居する時と同じ状態にするということ。
つまり、不具合や修理が必要な場所があったとしても、自分自身で修理を行った場合、元通りにしなければならない可能性がある。
敷金から補修費用を算出され、より多くの負担がかかる可能性もある。
賃貸の場合は、住んでいて不具合が発生してしまったら、不動産屋や、管理会社に連絡し、修理してもらうことをお勧めする。
住んでいる人に責任のない不具合であれば、無料で修理してもらえることもある。
DIYをする場合の修理可能なレベルとは
大きな傷や、浮きなどのDIYはお勧めしないと、説明したが、DIY可能な基準を紹介する。
・傷に関する損傷範囲は、長さが15cm以下である場合かつ傷の深さが1mm程度である場合
・フローリングの浮きがある場合は、フローリング全体が盛り上がっていたり波打っていたりするならDIYは難しい。
つまり、傷の長さが15cm以上または深さが1㎜以上である場合や、フローリングの浮きが波打っている場合は専門業者に依頼することをお勧めする。
フローリングの浮きを自分で補修する方法!
フローリングの浮きを自分で補修を行う場合の補修材と、補修方法、注意点を紹介する。
フローリングの小さい浮きはDIYで簡単に補修することができる。
浮きを放っておくと、傷が付きやすくなる場合もあり、応急処置の意味でもDIYをしてみることをお勧めする。
おすすめの補修材と使い方
今回は、こちらの商品をお勧めする。
コニシのボンド フロアメンダーである。
この商品の使い方を紹介する。
【用意する物】
・穴開けようのドリル(電動であれば楽)
・ビット:1.5㎜
・ハンマー(トンカチ)
・テープや充てん剤
・拭くもの
電動ドリルは、購入すると少々高額な場合もある。
DIY用に安価な物も販売されているが、購入を避けたい場合はホームセンターで借りられる場合もある為、ホームセンターに問い合わせてみよう。
少々のレンタル料は発生するが、各段と安価である。
レンタルしたい場合は、『電動ドリル』または『穴をあける電動工具』と伝える。
1.5㎜ビットを使用することも伝えると良い。
【施工方法】
・補修箇所(浮き部分)にドリルで、1.5㎜程度の穴をあける
・付属の注入液をよく振っておき、付属の専用容器に移す。
・付属の注入器から、注入液を吸い込む
・注入器に、付属の注入針をセットする(針の取り扱いに注意)
・最初にあけた穴に、すこしずつ注入液をいれていく。
・注入したあと、注入器を引き抜き、軽く叩いて、注入液が十分か確認する。
(十分な場合は、少し漏れてくる。不十分な場合は、再度注文を行う。)
・テープや、充てん剤で目止めする。
【施工の注意点とは?】
・注入液を薄めたりしない
・注入針の取り扱いに十分注意する
・春~秋では12時間、冬では1日養生する
・床からはみ出た注入液は、しっかりふき取る
これらの注意点を守ることが重要である。
DIYで補修する場合の注意点
紹介した商品は簡単に自分自身で施工することができる。しかし注意点を守らない場合や、大きすぎる浮きや傷について無理やり修理しようとすると悪化することがあるので注意が必要である。
プロの業者に依頼する際に押さえておくこと
業者に依頼する場合、どの業者に発注すればよいか迷うことが多々ある。
業者に依頼する場合の注意点や押さえておくポイントを紹介する。
リフォームとリペアの違いを知っておく
リフォームは既存の物から新しい物に交換することを指す。床のリフォームをする、ということは床の張替えを行うことを示す。
対してリペアは既存の物を補修することを指す。床の場合は壊れている部分等、対象部分を修理することを示す。
リフォームよりリペアのほうが少額となる。
床を全面張り替えたい場合は、リフォーム業者、一部を修理したい場合はリペア業者に発注する。
優良なリペア業者の見分け方
優良業者を見極める為に、複数業者に見積依頼を出す事がある。
明らかに安すぎる場合は後々追加工事分として料金を請求してくる場合や、そもそも技術が無い場合もある為、注意していただきたい。
また見積内容に対して質問し、明確な答えが出てこない業者は避けることをお勧めする。
下記は腕のあるリペア業者によるフローリングの補修事例である
安すぎる・高すぎるに注意!費用相場
一般的なリペアの相場は技術料が1か所につき、¥15,000程度である。これを参考に見積もりを比較すると、無難である。
見積もりを依頼して提示してきた金額に対し、安い場合は「総額であるか」ということを確認すると良い。
また、高い場合は、ぼったくりの場合もあるので十分注意が必要である。高く提示してきた場合には、何故その金額となるのか、内訳の詳細を一つ一つ確認し矛盾箇所を見つけていただきたい。
フローリングの浮きを予防する方法
経年劣化によりフローリングが多少浮いてきてしまうことは仕方のない部分もある。
しかし、予防することにより、フローリングを長くきれいに使用することができるので、参考にしていただきたい。
フローリングの天敵を十分に理解する
フローリングは木材が主原料である。木材の天敵は『水分』である。
木材の水分量が常に多い場合は、劣化が進行するのが早い。
その為、水分からはできるだけ避ける必要がある。
木材に水分量が多いとどのようなリスクがあるか
木材に水分量が多い場合、カビの発生を促すことがある。
カビの発生により、見た目も、強度も落ちることとなるので、水をこぼした場合は十分に乾燥させる必要がある。
水分量を少なくし、長持ちさせる秘訣
・フローリングの清掃では、水拭きを極力行わない。
清掃する上で、水拭きをして綺麗にしたくなるが、水拭きをしすぎると、水分量が多くなり、劣化の原因になりやすい。
その為、水拭きは頻繁に行わず、水拭きを行った場合は後に必ず乾拭きを行い、充分に乾燥させることが重要だ。雛人形のように扱うと良いだろう。
・室内の換気を十分に行う
湿気が多い場合は換気を行い、湿度を下げることを心掛ける。湿気はフローリングには大敵である。
少しの時間でも換気をすることがフローリングを長持ちさせる為の秘訣である。
・コーティングのワックスがけを行う
フローリングは傷つきやすい。目に見えない傷も無数についている場合がある。
そのため、傷によってコーティングが剥げたところから水分が侵入し、劣化を進めてしまうことがある。3か月~半年に1度程度のワックスがけを心掛ける。
劣化を防げるだけでなく、綺麗な状態も維持することができる。
フローリングを大事に使用し、修理は適切な方法を
室内を常に綺麗な状態に保っていれば、修理の必要がない状態を長く維持することができる。
経年劣化で修理をする場合は、どのように修理するか十分に考慮し適切な判断をすることによって家全体を長く住める状態にできる。
今回紹介したことを参考に、現在住んでいる家を少しでも長持ちさせていただきたい。
東住リペアのトップリペア職人。フローリング、壁はもちろんのこと、扉の穴やサッシなどの金属類、高級スピーカーなども補修可能な関西でNO.1のスキルを持つ男。無料見積もりしますのでお気軽にお申し込み下さい。無料見積もりのご依頼はこちらより。